荒廃した未来の地球でンマに立ち向かうマジレンジャー。ンマ様飛翔体のデラックス感マジ禍々しくてかっこいいです。マジレジェンドと比べてめちゃくちゃ大きいのもツボですね。
とにかくやるしかねえという訳でファイヤートルネードを放ちますが例によってクパァに吸い取られてしまいます。ンマ様、倒れたマジレジェンドの頭を足で掴んで地面にガンガンするという外道技を披露します。冥府神が出てきてから特にですが痛そう、ガラ悪そうな攻撃を食らうことが多いですね。悪役としては素敵です。
マジレンジャー達はンマに魔力を吸い取られ、マジレジェンドは解体、自分たちも中途半端に変身が解けて敗走します。クライマックス恒例のキャスト顔出し変身です。この演出、いつも展開の熱さに涙を流しつつもやっぱり全身タイツスタイルダサいなあ、と思っているのですが、マジレン勢はマントが緩和しているのかそれほど気になりません。
兄弟達はンマになすすべもなく、これが最後かと絶望しますが、ここで心が折れかけた魁を立ち上がらせるきっかけとなるのが兄貴です。父からのフェイタルブレードも意味がないと嘆く魁に、「父さんは、自分だけじゃなく、お前のことも信じていたんじゃないのか?」「魁なら奇跡を呼べるって思ってたんだ。だからその構えを教えたんだ。」それでも信じられない魁。「けど奇跡なんてそんな簡単に…」「あれ見て、ンマの支配するこの世界でも闇の力に負けずに、命が育ってるんだよ。可能性は作るもの、作れるもの。だったら奇跡だって起せるよ。さあ、奇跡を起こそうよ。」上2人がなんだかんだと魁を焚きつける展開、やっぱり好きです。
そこへンマが追いつき魁に攻撃を放ちますが、上兄弟4人がバリアを張ります。「魁、私たちも、あなたに託す。お父さんにできなかったことを、あなたがやるのよ!」「魁!俺たち約束したよな、必ずみんなでうちに帰るって。頼んだぜ、弟。」翼が魁って呼ぶシーン今まであったっけ?と思っていたんですが、キャストトークによると松本さん自身が最終回のここぞという時のために封印していたらしいです。微かなライバルっぽさというか、喧嘩兄弟なところがありましたからこのこだわり燃えました。
兄達のバリアが破られた時、遂に魁がンマの前に飛び出します。「わかった、わかったよ父さん。俺の勇気が何なのか、勇気が何のためにあるのか。俺の勇気は未来をつかむためにある!自分で自分の未来を手に入れる、そう願って、前に進むことが勇気なんだ!」顔出しマスクでンマを圧倒する熱いシーンなのですが残念ながら赤のマスクのフェニックスの影はちょっと顔出しに向かなかったなーと思うのです。あと主人公自身が最後に導き出した勇気の定義としては少々漠然としているというか、インパクトに欠ける答えな気がします。これが今まで魁が未来について悩んでいたら、例えば高校生らしく進路に悩むとかそういうシーンでもあればまた印象が違ったかもしれないなーと思うのですが、この子日常的に悩むのが山崎さんぐらいしか無かったので…
ともあれ勇気の高まりでンマを串刺しにした魁はそこから流れ出る時間の流れに乗って現代に戻ってきます。ンマ様の頭部の殻の下、えらいグロい見た目でした。何だあれ肉肉しい…怒り狂ったンマは触手を5人に伸ばすのですが、漸くマジエルのハローミラージュの影響が出てきて触手が消滅します。解説に現れたスノウジェルとリンによってマジエルが粒子化の魔法で生き延びたことが明かされ、快進撃開始です。粒子化って最強魔法なんではないかしら。ロギア系は死なないってやつですよね。そしてお茶目カワイイババアマジエルがやっぱり強烈です。
インフェルシアで態勢を立て直そうとするンマですがその前に母が、さらに死んだはずのスフィンクスが現れます。人間の心から生まれる不確定な強さに惹かれたスフィンクスに心打たれたヴァンキュリアが、ダゴンを裏切り不死の力でスフィンクスを蘇生させたのでした。「私たちは実に多くの大切なものを失ってきました。失い奪うのはもういいでしょう。私は、勇気というものを知りたい。」というわけで最後まで闇の強さしか見えなかったダゴンを泣く泣くぶっ殺してきたのです。
うーん、冥府神で唯一スフィンクスが生き残るというのは無理のないチョイスですが、死に際のシーンがあっけなくも切なかっただけに少々興醒めです。こんなに感傷的なことを言い出す程仲間の犠牲に心を痛めたり人間に親愛の情を抱いたりする描写がなかったのも引っかかります。
スフィンクスがロケット砲でンマをぶっ飛ばした隙に、ナイメアが光と親父を蘇生させます。この2人が生き返るのはハッピー路線のマジレンとしては納得なので流します。ですが!初回からの敵であり結構エグい仕掛けもこなし快楽主義的に悪の道を歩んできたクソビッチことヴァンキュリア様がこうもあっさりと道徳の道に引き込まれてしまったのが残念でなりません。悪巧みしないナイメアなんてただのイタいゴスロリギャルじゃないですかー。
ともあれ光、親父、スモーキーも生き返り、天空界地上界地底界全ての人々がそれぞれ手を取り合いめでたしめでたし…という空気でしたがンマ様忘れておりました。巨大化したンマに対し、「家族の力を合わせてン↓〜マにぶつけるのじゃ!」というマジエルのお告げのもと、小津家一同が一斉に変身します。
OPバックに「天空聖者よ、我等に魔法の力を!マージマジ・マジーロ!」総勢8人の正式変バンクの名乗りです。流石に壮観なり。「勇気の絆が未来を開く!我等、魔法家族!魔法戦隊、マジレンジャー!!」華麗に決まりました。最終回専用決め台詞ってのもいいものですね。家族の集結に散々ケチつけていましたがこのシーンのためだけにでもこのシリーズ見てきて良かったなあと熱い手のひら返しです。
ンマに魔法力を全力で放ちます。吸い尽くせないほどに溢れてくる魔法に戸惑いを隠せないンマ。そんなンマに魔法家族が畳み掛けます。「教えてやろう!」「魔法!それは正義の力!」「魔法!それは未知への冒険!」「魔法!そしてそれは勇気の証!」最終回大盤振る舞いです。卒業式の生徒からのメッセージ的なアレを思い出させる趣です。心から湧き出る勇気が続く限り魔法も無限に続く、というわけで尽きない魔法をンマに注ぎ込み、生まれて初めて満たされるという感覚を覚えつつンマは爆発四散。3界に家族の愛が具現化したキラキラが降り注いだのでした。
一段落して海辺に立つ一同。戦いの終わりを噛み締める大人たちに兄弟達が反論します。「違うよ父さん、今始まったんだ。新しい世界、新しい時代が始まったんだ。」「そしてそれを作っていくのが、私たちよ。」「新しい世界」「新しい時代」「俺たちが、いや、みんなが未来を創っていく。」日本生命のCMとか茶々入れちゃダメですかね。新しい世界云々というほど時代の区切りっぽい内容の物語ではなかったかなーという印象ですがバトルが終わった締めとしてはすっきり爽やか、いい感じというところでしょうか。兄弟達の成長に目頭を抑える大人達ですが、家路につく5人の顔は無邪気ないつもの小津兄弟なのでした…
飛んで1年後、ラストバトル記念日のパーティで久しぶりに家族一同が集まる日となっていました。冷静に考えて家族揃って敵を倒した記念日って武闘派ファミリーすぎます。
一年経っても変わらず兄貴サラダを振る舞う蒔人と、一年間で心境の変化があったのかしおらしく卵焼きを作ってくる芳香。変なマントを着ていない親父が食卓についているのが安心しますね。麗と光は天空界に新居を構えたようです。麗の世話を焼いてはあしらわれている光、最終ポジションはヘタレで決定ですね、可哀想に。ところでこの2人異種間結婚じゃんすげーな!と思っていたのですが考えてみれば麗も天空聖者とのハーフなので異生物といえば異生物か。種族の壁をあっさり乗り越えるマジレン世界、今思えばなんとリベラルな世界なんでしょう。
そこにボクシング界に戻ったらしい翼が帰ってきます。コーンロウ!どうしたんだよその頭。頭脳派(笑)の次男ですが行き着く先は見た目も中身もゴリゴリ系でした。返す返すも頭脳派設定の持て余した感よ。
姿の見えない末弟は親善大使としてインフェルシアに押しかけていたのでした。今や開発の進むインフェルシアではケータイが普及し、ナイメア達ともメル友の時代です。文明って素晴らしい。ようやく帰ってきた魁はインフェルシアの文化に当てられたのか中々トンチキな格好になっておりました。お前もどうしたんだよその赤メッシュ。親父の装束もそのまま受け継ぎ、爽やかな笑顔を浮かべる割にはどちらかというと悪役の見た目です。
最後は今まで見てきた母と兄弟だけのものに代わる新たな家族写真でマジレンジャー終幕。通常通りのEDが流れたのにはちょっとびっくりしました。
色々と突っ込みどころはあるものの最終回は熱さと鉄板セリフのオンパレードで押し切ってくれました。恐らくは寿命のないであろう小津家、これからもワイワイわちゃわちゃと幸せにやっていくのでしょう。序盤のあまりにも他人行儀で仲が悪そうな兄弟達を思うと、ここまで家族が増えて楽しそうになったのも1年間の努力と成長の結果かな、と感慨深いです。