今回のまな板からの死刑宣告はサイクロプスです。こいつクールポジでもっと後に出てくると思ったんですが早かったです。そして早くも冥府神に一枚岩ではない空気が浮上しています。
前回から見るにこいつらの目的はンマを絶対神として蘇らせることらしいのですが、いかんせん脳筋のドレイクには興味がわかないようです。さらにゴーゴンも他の冥府神とは考えが異なる様子。ドレイクはゴーゴンのアドバイスで修行中の光のマルデヨーナ世界に降り立ち、戦いを仕掛けます。
その頃魔法部屋では久々に日常の一コマです。芳香がマンドラの剪定をしているのですが、マンドラが謎の泣き声を上げているので恐らく芳香が勝手に始めたのでしょう。芳香だったら調子が良くても葉っぱ刈り込むとかしてきそうですから無理もありません。マンドラは日常回以外はメンバーの名前を叫びながら泣いているイメージなので楽しそうなのは久しぶりな気がします。そういえば魁の制服姿もいつの間にか冬服にチェンジです。
さて、上の兄2人は他の兄妹を置いて後楽園ホールにボクシング観戦に行っていました。長男次男メインの絡みは何気に初なので新鮮です。試合の余韻に浸り、リングに戻る夢を語る翼。一方、兄貴は妹弟達が1人前になるのを見届けるのが夢だと言います。長男の責任を負って夢を諦めたっていうんですか?それ聞いたら大概の戦隊の人たちは激怒するので言わないほうがいいですよ。
そこへ外人のかわいこちゃんが英語で道を尋ねてきます。英語が喋れない翼はしどろもどろですが、なんと兄貴が流暢な英語で受け答えするではありませんか。翼、クールキャラが光にとられて後がないのにインテリキャラまで足元がぐらついています。まあそもそも彼がキャラ立ちするほどクールインテリが役に立った話が思い浮かばないのが問題なのですが。兄貴は留学していつかブラジルに兄貴農場を作る夢のために英語を勉強していた時期があったのでした。兄貴、意外と意識高い系。
その時、空が突然暗くなり、サイクロプスが降臨します。サイクロプスは降臨するなり辺りのビルを乱射します。当たったビルは消滅。この時ビル内の人が悲鳴をあげるカットが映るのがエグい演出です。マジレンジャーはマジキングで出動します。やったー!マジキング、ナンバーワン!結構攻撃が効くことから戦闘力はあまり高くないようです。今回の見所はサイクロプスの銃弾を防ぐ魔法斬りの魔法陣です。しかし、魔法斬りは銃で防がれ、マジキングもゼロ距離射撃を受けてバラけてしまいます。貫通技って意外と特撮は少ないですよね、もろに痛そうだから。
マジレンジャーに合わせて小さくなったサイクロプスは、彼らにゲームを仕掛けます。日没までにサイクロプスの銃弾から逃げ続けろというシンプルなルールです。また時間切れで自滅はやめてくださいね?肉弾戦にもつれ込みかけますが、サイクロプスは銃を乱射した隙に姿をくらませます。狙撃銃なのにライフルにもなるなんて素敵。
サイクロプスの狙撃ポイントをあっさり特定し、そこからの弾丸を防御するマジレンジャーでしたが、思わぬ方向からも銃弾が飛んできて魁が足を負傷します。魁を抱えて撤退するマジレンジャー。四方八方からの弾丸を全部撃ち落としてるのはなんかすごい。スーツって動体視力も上がるんでしたっけ。弾丸撃ち落とし対狙撃マーカーの描写が緊迫感あって好きです。サイクロプスが余裕ぶっこいて乱射ついでに壁にメッセージを書くのもベタですがヤバさがストレートに伝わります。5人はそのメッセージを見て姿を消して逃げるのを思いつきます。マジュナマジュナを使いこなせるようになっている描写にも地味な成長を感じてほっこりしますね。
倉庫に逃げ込んだマジレンジャー。兄貴と翼はサイクロプスの位置を特定する策を練ります。翼は自分が囮になることを提案しますが、蒔人は長男として強く反対します。そりゃそうですよ。どうも次男は捨て身の行動に走りがちの傾向が治りません。そんな蒔人に苛立つ翼。「長男長男って、長男がそんなに偉いのかよ。兄貴はいつもそうだ。長男だ、責任だって、留学の話だってそれを言い訳にしてなんでも諦めてんじゃねーのかよ。」あ、そっちに取ったか。まあ次男の長男に対する不満ってこんな感じですよね。そして結構歳の離れた兄弟なので冷静に弟を諭せる蒔人の大人な一面が光ります。
蒔人は翼に2年前のある出来事を思い出させます。母と兄貴が不在の間に、動物園から逃げ出した熊が魁を襲い怪我をさせたのです。兄貴的には留守を任せたはずの翼ですが、その頃絶賛厨二、もといちょけていたので朝帰り現場を兄貴に責められます。いや、熊って。閑静な住宅街に熊って。そんなの誰も予測しませんし翼がいたところで流星パンチも役に立ちませんから仕方ないっちゃ仕方ない。そしてやっぱり翼は機能しないクールキャラよりもこういう好感度低いヤンキー崩れの方が似合ってたしストーリー的にも収まりが良かったんじゃないかなーと思います。
ともかく、冷静になった兄貴は翼を責めるのは筋違いだったと思い直すのですが、それ以来自分が家族を守る責任を負わなければと決意し、留学を諦めるに至ったのでした。翼的にだいぶ重いこと言われました。素直に謝れないのもやむなしです。恐らく兄貴は翼にまた兄弟を頼みたい、という方向に繋げるつもりだったのでしょうが、ここでタイミングよく煙幕弾が撃ち込まれなかったら積年の恨みごとになりかねませんよ。しかも100パー自分が悪いんですから辛すぎる。
突然の煙幕に、兄貴は狙い撃ちを覚悟で囮役を買って出ます。翼は反対しますが、兄貴は兄弟を翼に託して出て行きます。「翼、今日から次男のお前が長男なんだからな。」今までメイン回でもロクに成長ストーリーがなかった翼、遂に進化フラグが立ちました。サイクロプスの弾丸をマトモに喰らう兄貴でしたが、捨て身で家族を守る勇気に応えた新魔法で岩石アーマーを手に入れ弾丸を防ぎます。その隙に逃げる弟達。
一方、光はトラベリオンでドレイクに立ち向かうもボコボコにされていました。まあトラベリオンですからね、仕方がありません。すぐにトラベリオンから弾き出されてタイマンに持ち込まれますがロクに攻撃も効かずギッタンギッタンにされます。マジシャイン単体の連戦連敗っぷりにはもはや気の毒になりますね。光ももう単体では無力な立派なレンジャーメンバーということですか。さらに大技を喰らい戦闘不能になります。
アーマーで弾丸に当たりつつサイクロプスの居場所を特定しようという作戦の蒔人に、一度は頭に血が上ったサイクロプスですが、すぐに冷静になり一点集中放火でアーマーを破る離れ業を見せます。そして遂に弾丸を受け、まさかの兄貴消滅。直前にマジスティックソードを投げていましたが刺し違えられたんでしょうか。弟達はその光景に悲鳴を上げ、翼対サイクロプスを匂わせる特撮特有の雑コラで次回に続きます。
マジレンジャーの強敵は三冥獣やら四底王やらと出落ち傾向の奴らが多かったのですが、冥府神は1人目がパワー系でマジレンジャーの戦力では攻めきられずに自爆、2人目が頭脳系スナイパーで2話構成と強敵描写は十分です。さらに年長者2人がやられてしまいまさに絶体絶命、盛り上がってまいりました。今回は長男と次男のイザコザも兄弟ならではのもどかしさという感じで良かったです。