池のほとりの東屋で歌う美女に引き寄せられると池に引きずり込まれる案件発生。というわけで今回の冥獣人はセイレーンです。
ジョギング中の翼は歌声に引き寄せられて公園の池にやって来ます。どうでもいいんですが松本さん序盤からずいぶん顔つき変わりましたね。東屋にいる美女に吸い寄せられる翼。このゲストの子も可愛いです。冒頭で表されていた通り、この子に近づくのはマズイのですが、間一髪、直前でハープの弦が切れ、歌が途切れます。
翼はトランス状態が解け、怪我を心配して駆け寄ります。思わず手を取り、美女「温かい…」、我に返って手を離す、のラッキーフラグコンボに成功。やったね翼、彼女フラグだよ!だが残念、相手は冥獣人だ!そしてなぜか「おれ、翼。最近この辺を走ってんだ。」と突然ナンパを仕掛けます。兄妹達に1馬身引き離されてますからね、必死でしょう。対する彼女は何やら憂い顔です。
その時、池が波立つのに気づき顔色を変えた彼女は、翼をこの場から離そうと走り出します。あれ?もしやこの子セイレーンではない?よかったね翼、バッドエンド回避だよ!そのまま見失った彼女を忘れられない翼は、兄妹から魔法110番の話をされても心ここに在らずです。その時、テーブルの雑誌の記事が目に留まります。人気歌手間宮レイの突然死を報じる記事。レイは先程の池の彼女と同じ顔をしていました。次男、芸能ニュースに興味ないらしいです。こいつの見た目のチャラさは本当になんなのか…絶対初期にキャラ設定大幅変更あったと思うんですよ。芸能に疎い次男はともかく、一般の公園に人気の芸能人がいたら話題にもなりそうですがね。しかし残念だったね翼、バッドエンド確定だよ!相手は死人だ!
今回の冥獣人セイレーンのネリエスは歌声で周囲を破壊する能力持ちでしたが、ブレイジェルに喉を潰されていました。レイは喉の代役で殺されており、セイレーンのネックレスで逃げられないのです。セイレーン、巨大な鳥の骨を着込んでおり一見女性怪人に見えないロックな見た目で大変好みです。しかし私情で名ありのゲストを殺しているというエピソードはなかなか胸糞を攻めてきますね。レイの様子を見るとどうにも両想いフラグは成立しているようですがバッドエンドですよねこれは。翼ドンマイ。
レイを探しに東屋にきた翼ですが、その頃レイは森の中で歌っており、集まった人間をセイレーンが捕獲しようとしているところでした。インフェルシア警報で集まった一同は寸前で人々を逃しますが、マジランプバスターをレイに構える光の前に翼が立ちふさがります。何故生身なのだ、個人プレーは仕方ないとしてせめて警報で集まったからには変身しろ。
訝しがる一同の前に黒幕のセイレーンが現れ巨大化します。どさくさに紛れて翼はレイを連れて逃亡します。お前、シリーズ中盤にもなって女のために仲間に説明もなく戦闘放棄するなよ。そもそもインフェルシアのために魁のデートをポシャらせたエピソードがあるのにこれはちょっと…ドラゴンにもマジキングにもなれない兄妹達は芳香ボールシュートで攻撃しますが、あっさり破られます。まあそりゃ最初期の技だからしょうがありません。力を見せつけたセイレーンは姿を消しします。
一方その頃、岩場に逃げ込んだ翼とレイ。レイの冷たさに彼女が死人なのを実感する翼に、レイは本当は人殺しの歌なんて歌いたくないと言います。そんなレイに、俺のために歌ってほしいと一曲リクエストする翼。1話限りの女ですのでグイグイいきます。ここからレイが歌っている間2人の謎のリア充PVが流れるのですが見ている方が小っ恥ずかしくなってきます。
進展の早さに視聴者を置いてきぼりにして寄り添う2人ですが、その背後から追いついた兄妹達が声をかけます。うわあギャグでもないのに身内にここ見られたら死ねる…光もよく声かける気になりましたね。光は魔法でレイの魂を解放し成仏させようと提案するのですが、レイに惚れて心の整理がつかない翼はそれを止めます。これはいくら愛だ云々と言っても、地上に魂を縛り付けるのは彼女のためにならないという光の言い分が正しいと思います。翼側が彼女の気持ちを聞いてやってくれとかではなく全くの私情なので翼の株が上がりません。
そうこうしてるうちにレイはセイレーンに連れ去られてしまいます。さらに一同が追いついた先で、歌うことを拒否したレイを吸収したセイレーンは喉が回復し、破壊能力が戻ってしまいます。てかセイレーンは最初からレイを食べればよかったんじゃないか?魔法で魔物と同化した魂を救おうとする翼ですが、レイは完全に溶け込んでしまっており通用しません。この魔法、兄貴に彼女ができた回のやつなんですね。魔法関連の設定を色々大事に使いまわしているのがマジレンのいいところです。
それでも諦めない翼は、セイレーンの全力攻撃を受けて炎上するも何故か気合いで跳ね返し、新魔法ジルママジマジマジーロで死んだ時の拘束ごとレイを解放することに成功します。マジマジは出力増し増しの呪文ですがただマジマジ言うだけじゃなくて上から新魔法認定を受けないとダメなんですね。「最後まで諦めずに彼女を助け出そうとした、翼の勇気にスペシャルな魔法が答えたというのか!?」光先生、なんか適当なこと言わないでください。
光先生が兄妹の伝説の五色への可能性を見出す流れになっているのはわかりますが、さすがに今回の翼は勇気というには前半描写で私情が過ぎた。戦闘中のはまあ愛ゆえの勇気としてもいい、んでしょうかね。この勇気、根本的にはかつての兄貴と一緒なのですがよく考えれば魔法も同じものなのでむしろ狙ったのかも。
怒り狂ったセイレーンに攻撃され、逃げながら崖から落ちる翼とレイですが、それを見て「よし、今だ!」と必殺技を促す光は何がよしなのかちょっとわかりません。ファイブシャイニングバスターといういかにも戦隊の遠距離止め技っぽい新技なのですが、黄色回なのに黄色がここに混じってないのもなんだか締まりません。爆散したセイレーンは復活も巨大戦もなくコボルトが回収。シチジューローといい四底王の戦闘の尻すぼみ感がマジでやばい気がします。
一方特にフォローもなく無傷のレイと翼。一緒に生きようと言う翼に、レイは嬉しいと返しながらも、自分は死人だからそうはいかない、自分の分まで生きてほしい、と翼に頼みます。うーんいくら悲恋にしたかったと言ってもこの答えに自分で辿り着けなかったのは成長途中としては痛い描写です。せめてそう言うと思った、とか翼に言わせればよかった気がしますが、この状態の翼に光が伝説の片鱗を見出してもちょっと腑に落ちないです。抱きしめあう2人ですが、レイは昇天し、翼は何かを心に抱えつつ空を見上げます。その後ろ姿を見守る兄妹達でエンド。だからこんなところ身内に見られたら末代まで祟ります。
今回は本筋にも些細なことにも突っ込みの多い回になってしまいました。日常回の恋愛話でシリアスなのって結構展開早いし気恥ずかしいしで見るの苦しいですよね…そして翼の恋愛フラグは消滅して振り出しに戻ってしまいました。合掌。