メーミィは冥獣人四底王を復活させます。デザインがみんなキモくて強そう。説明くさいセリフを吐くウルザードが相変わらず何がしたいのか不明です。そして今回の敵はそのうちの1人、サムライ・シチジューロー。サムライってなんの妖怪なんだと言いたくなりますが、ニンジャも以前いましたしインフェルシアには人間が闇落ちした一族でもいるんでしょう。シチジューローは肩がぶつかったウルザードにケンカを売る短気な奴ですが刀を合わせて実力を悟るとあっさり引く実力者の風格の持ち主です。その後ろ姿を見送りながら「決戦の時は近いぞ、五色の魔法使い達!」とわざわざナレーションを入れてくれるウルザードさんにはもう何も言うまい。
小津家では来る9月4日の串の日に向けてアニキが張り切って準備中です。こういうこじつけパーティーの日は小津家の恒例行事で、兄妹持ち回りでプランするようです。今回はアニキの担当で、くそベジタリアンの肉なしバーベキューが企画されているようです。小津兄妹昔からこんなこと年中やっていたら幹事スキルカンストしてそうです。
こういう兄妹だけでも楽しめる可能性があるってのが兄妹持ちの羨ましいところですね。ここのところ話が進んできて日常回が続いたのもあって、初期よりかなり仲がいいイメージがついてきましたのでこういう家族行事でワイワイやる姿も違和感なくなりました。いいなあ兄弟って、という光に全面同意です。そう言えば天空聖者の家族構成ってどんなもんなんですかね。もしかしたら光、もとより家族の繋がりがないとか今となっては天涯孤独とかあり得ますからそう思うとこのセリフグッときます。
一同がまったり茶をすすっているとインフェルシア警報が流れます。向かった先のシチジューローは目標物を表す漢字を斬ることでビルや概念すら破壊する能力持ちです。絆がテーマの回ということでいつもより家族の団結ゴリ押しで変身するマジレンジャー。シチジューローは絆の文字を断ち切ります。アニキだけは光のおかげで攻撃を回避しますが、弟達は吹っ飛ばされます。しかし酒が切れて帰るシチジューロー。
一旦家で対策を練ろうと言う蒔人と光ですが、なぜか弟達は家に帰ることに嫌悪感を示し、蒔人に邪険に当たります。どうやら先ほどの攻撃で4人はそれぞれ他人も同然になってしまったようです。光が対象に含まれていないのは家族の絆限定攻撃だったんですかね。次の日になっても4人とも帰ってこないばかりか引越し業者が長女次女次男の荷物を引き取りに来る始末。こいつら大した稼ぎもありませんでしたが独立する費用なんかありますか?芳香は最悪テツヤのところに転がり込めばいいでしょうが。
空っぽになった部屋で落ち込むアニキの元に魁だけが帰ってきますがこちらも高校生なので部屋を借りられなかっただけです。年齢設定が高校生なだけに熱くてウザいアニキを嫌がる様子がちょっとリアルです。しかし兄と呼びたくないからってグリーンさんは端から聞いたらギャグです。他の3人の様子を光が見に行っても、3人とも蒔人の名前を出した途端に塩対応になります。麗、ローンで車買ってました。恐らくはへそくりを溜め込んでいたに違いありません。恐るべし主婦。対して終始ニートだった翼がボロアパートなのに納得しました。
戻って状況を伝える光は、それでもみんな正義の心をなくしたわけではないのでこのまま戦うだけなら何とかなるんじゃないかと提案する光。いつもは視聴者的に見て正しい答えを導ける人なのですが、やはり家族関係には無頓着な環境だったらしく家族の絆にはドライな答えを出すんですね。それに反論するアニキ。「俺たちは戦うために組織されたプロのチームじゃない、兄弟なんです。兄妹だから力を合わせられた、その気持ちがなくちゃダメなんです!」戦隊における、アマチュアがなぜ命懸けのボランティアを続けていられるか、という疑問をマジレンはすっきり説明してくれました。この答えは兄妹戦隊ならではで好きです。渋る光に今回は蒔人主導で一計を案じます。
河原に呼び出された弟達の前で、蒔人はいそいそと串の日の準備をします。その様子にうんざりしたような弟達。説得を試みるも突き飛ばされて準備が台無しになってしまいます。余りにもドライになりすぎる弟達がリアル感薄いのですが、対する一生懸命な蒔人がとても痛々しくて見ていられません。誰よりも家族への思い入れが強かった蒔人だからこそ出る説得力です。止めに入り蒔人に帰ろうと促す光もこの人なりのドライな優しさです。しかし光、仮に戻ったとしてアニキと共同生活しながら他の兄妹との板挟みは辛いからここは蒔人に従った方がいいぞ?
諦めきれないアニキは10年前のアルバムを出してきて思い出を語ります。こういう思い出語りは卑怯ですよ泣いてしまいます。「俺たちが素人なのにインフェルシアと戦えたのも、兄妹だからだろ。誰かが傷つけられたのを怒ったり、誰かを守りたいと思ったり、そんな気持ちが人一倍強いのが家族や兄妹ってもんだ。」これ、なんで無茶を承知で第1話の魁がウルザードを止めに入れたのかのアンサーになれると思います。これを盾にすれば無謀も勇気と言い張って通る気がします。今日のアニキは説得力が違う。
あと一息で説得できそうな雰囲気でしたが、インフェルシア警報に阻まれます。駆けつけるといきなり巨大化しているシチジューロー。弟達も魔人化して戦いますが結束力皆無で個人プレーに走るので相手になりません。しかし駆けつけたアニキの気合の一振りで一撃爆殺。ええ、弱い…かわいそうな四底王。
ところがシチジューローが死んだのに弟達のドライモンスターっぷりは変わりません。そこへ飛んできたのはシチジューローの刀。刀を抜いた蒔人は光や弟達に襲いかかり、シチジューローの鎧の姿になります。実はシチジューローは刀が本体で体は乗っ取っていたものにすぎないのです。アニキの顔でアルバムを容赦なく滅多斬りにする様子に、弟達はなぜかこみ上げるアニキへの想いからアニキを取り押さえます。魁の勇気と同じく、こちらの絆も消されても内から湧き出るもの、という答えなのはいいのですがやはりそこに至る描写が少ないのが物足りないです。こちらはアニキの頑張りと無常感が感情移入できたので余計に残念です。兄妹が取り押さえている隙に光がスモーキーシャイニングバスターで刀を一発撃破。蒔人も元に戻り一件落着です。えええ、それで終わりか四底王…刀のパワーを回収してリサイクルしようという描写はありましたが。
兄妹の絆を信じる蒔人の勇気を評してリカバリー魔法が授けられ、めちゃくちゃになったアルバムも料理も元に戻り、家族みんなでバーベキューとなり終了。ここでマンドラがタンとハツを好む食肉植物だったことが判明します。やはり魔の生き物かマンドラ坊や。魁の勇気消失回からこっち、光が逆に兄妹達の良さを見出し教えられる展開となっているようで影が薄め。それより今後の四底王の強さが心配です。