冒頭、ウルザードに忠誠の証を差し出せと迫るメーミィ。塩対応のウルザードはあっさり魔法力を引き渡します。ンマ様の力が宿った盾と剣があれば戦えるとか宣って去るウルザードですが、魔法力がなければ巨大化はおろか地上に出ることもままならないんじゃないんですか?余裕ぶっこいている意味がわかりません。メーミィはウルザードの魔法力をウーザフォンなるものに錬成してナイメアに与えます。マジレンジャーの携帯のウルザード版で、晴れてヴァンキュリアも魔法が使えるようになりました。これは便利。私も欲しい。
今日の小津家では、かつてお土産すら買ってこないと言われた芳香がモデルで稼いだお金で寿司をおごるという珍事が発生。そういえばこいつは金を家計に入れないだけでどうも完全なプーではないようなんですよね。翼の肩身がますます狭くなっていく話です。寿司という地上界体験にワクワクしている光がいいです。光は言わば異世界人なのですが大人ポジションのせいか地上の文化に戸惑うシーンがないのが異文化交流ネタが好きな身としては残念です。
魚と聞いて一同について行こうとするスモーキーですが、お怒りの麗に留守番を言いつけられます。怒りの理由はマンドラにいたずらで青虫の大群をふりかけたこと。これはエグい…擁護の余地なしとされて光にも留守番を言い渡され、拗ねたスモーキーは何やら仕返しを考えます。
回転寿司にやってきた一同ですが、いざ食べようとすると寿司が砂に変わってしまいます。食いっぱぐれたにも関わらず怒るでもなく冷静にボケる光はギャグにおいてなかなか独特なテンションです。寿司が砂に変わったのはスモーキーの仕返しでした。その様子を見たナイメアも何か企んでいる様子です。腹ヘリのまま家に帰った一同は町中の食べ物が砂に変えられていることを知ります。
スモーキーを呼び出して問いただす一同にスモーキーは洒落だとおどけていますが、食い物の恨みは洒落で済まされないんですよ…?寿司屋の一件以外は無関係だと言い張るスモーキーですが、さすがに信じられない一同。さらに光にまで疑われていることにショックを受け、捨て台詞を吐き泣きながら家出します。お前足生えるんだな。
そんなスモーキーに最近ようやく素直になってきたのにとため息を吐く光。曰く、かつては手のつけられない悪戯者だったスモーキー。ある日、光の忠告を無視して体が消滅する呪いの宝箱を開けてしまい、危うく消えかけたところをマジランプに閉じ込めることで光が助けたのが2人の縁でした。以来何度も家出を繰り返しつつも、いつもランプから離れて消滅する期限時間以内には戻ってくるのだとあまり深刻には考えていない光。先生モードでない通常運転な光の描写が多いのは初登場回ぶりです。大人っぽくて取っ付きにくいキャラの立ち位置に反して仕種や言葉尻がどことなく茶目っ気があって可愛らしいです。麗はスモーキーが泣いていたのが気になり追いかけます。
その頃土手でいじけていたスモーキーですが、追いついた麗はスモーキーは家族だから信じると言います。それでも自分を疑った光は自分のことなんかどうでもいいんだと言うスモーキーに、光はスモーキーが大事だから叱るのだと諭します。「あのね、スモーキー、人に信じてもらうには、普段から信じてもらえるようなことをするのが大事だよ。」「人は信じられることをした人を信じる。光先生もスモーキーを信じたいんだよ。」中々至言です。これ、すっごく魁に言いたい。普段から好感度上げしないといざという時の好感度も上がんないんだよ。スモーキーは麗の言葉に反省し、さらに心を開いたのか次女呼びから麗に昇格です。魔法アイテムの成長物語があるのは予想外ですが、光はパッと見て中身はほとんど出来上がっているキャラなのでこことセットにすると成長がわかりやすくなっていいですね。
一方、食べ物がどんどん砂に変えられていく街に駆けつけたマジレンジャー達はその場にいたスモーキーを追いかけます。しかしその正体は魔法を使うナイメアでした。人々を空腹にし、今回の冥獣人ハーピィの鳴き声で空腹時に湧く寄生虫に体を食い破って出てこさせるというスプラッタな計画を立てていたのです。ナイメアに足止めされ、ハーピィを捕まえられないマジレンジャー達。しかしその姿を見つけたスモーキーと麗が追いかけます。
スモーキーは制限時間ギリギリですが、先ほどの麗の言葉を受け、光に信じてもらうために信じられる行動の第一歩だと言います。スモーキーいい奴。間一髪のところでハーピィの鳴き声を阻みます。苦戦するスモーキーを庇って麗が負傷し、スモーキーは消えかける大ピンチ。しかし気合で復活。「少しだけ、あと少しだけ麗を守る力を…!」さらに連続滞空キックでハーピィの嘴を折ります。スモーキーカッコいい!マジシャインペアはここぞという時の熱さが素敵です。
駆け寄る麗ですが制限時間を過ぎ煙となって消えるスモーキー。「母ちゃんってさ、うるさくて、怖くって、怒ってばっかりで、優しくて、麗みたいなのかにゃー?」「スモーキー、ダメえええ!」魔法猫、次女にバブみを見出しました。そして序盤で母代わりになろうとして失敗した麗もここで母らしさをアピールすることができました。
煙の中で座り込んで泣く麗。その時駆けつけた光が残っていた煙をマジランプに吸い込んで、なんとかスモーキーは消滅を回避します。麗は光、というよりはスモーキーを抱きしめます。そして麗はスモーキーの頑張りに免じて信じてあげて欲しいと頼み、真相を知っていた光もスモーキーに疑ったことを謝り、一件落着。スモーキー復活はあっさりでしたがテンポが良く感動的なシーンです。素直に喜びを表す麗も微笑ましいです。
向かってくるハーピィを、麗が人を信じる勇気に応えた新魔法、スモーキーブルーシャイニングバスターで撃破。巨大化戦ではトラベリオンは特別にスモーキーが操縦します。連続キックで蹴り上げそのままデストラ逆噴射。さらにダメ押しの天空魔法斬りでチェックメイト。ハーピィのアクの弱さに対してどう見てもオーバーキルですが気持ち良くぶっ飛ばせたので良しです。
すっかり麗に懐いたスモーキーですが、寿司の恨みを返そうとするみんなから麗の陰に隠れる際にどさくさに紛れて乳を揉み、ぶっ飛ばされて終幕。「ウーララー」とはまた古いネタを…今回は麗回ですがどちらかというとスモーキーの成長がメインでした。まあ次女はたまにギャグで変なテンションになる以外は安定してますからね。あとは光が日常回で小津兄妹に馴染んでいる姿が見られてほっこりしました。明るめの雰囲気に泣けるシーンと勢いある熱さが相まって楽しかったです。ただしスモーキーは反省したとは言えマンドラには謝っていないのできっとそのうち鳴き声で死ぬ。