前回の風穴がすべての時間を吸収しようとしているという壮大なものだったことが語られます。そうなると地上界のあらゆる秩序が乱れ、世界の終わりが来るというのです。それを防ぐには術の使用者が死ぬしかないのです。いや、そんなヤバい呪いなら1番最初に言ってくださいよ。使った翼自身も多分自分が死ぬぐらいの呪いしかないと思ってますよ。
一時的に時間の吸収を抑えた光ですが、前回諸々のフォローを怠ったことで翼に間違った選択をさせてしまったと自分を責めます。うーんそこに思い至るだけでも立派だと思いますが…翼の想いを受けて兄妹はインキュバスを追うことにしますが、光は翼の呪いを解くアテがあるということで別行動です。「僕が、先生として、絶対に責任を取るから。」誠にイケメンです。さらに兄妹に自分とお揃いの指輪をお守りにプレゼントします。こんなに死亡フラグ立てられると逆に大丈夫なんじゃないかと思えてしまいます。まあ追加戦士なのにここで退場ってことはないと思うんですが…「僕は君たちの力を信じているよ。ずっとずっと、永遠にね。」とか別れ際に言われたらざわつくしかないですよ。
残ったマジレンジャー達は1,000人目の魂を手に入れたインキュバスとスパイダーに立ち向かいます。彼らの目的はこの魂の塊を花火として打ち上げ、さらに呪いを振りまくことです。すでに1000人散ってるってのが凄い。そして恐らく所要時間的に夜中に襲われたコウタはもうお亡くなりになっているとしか思えないんですが…戦隊ですからまだ生きてますよね。いい勝負にまで持ち込みますが、インキュバスに魂を操られた桃青が緑赤を敵と勘違いして襲いかかります。変身が解けるまで容赦なく攻撃した2人ですが、ふと気がつくと男どもは戦闘不能状態、自分たちもインキュバスに吹っ飛ばされ変身が解けてしまいます。ここでインキュバスが嫌味を言いに来たヴァンキュリアを抱きしめて喘がせるというお茶の間が気まずいシーンが入ります。
一方光はリバースの魔法を作り自ら禁忌魔法とした時の魔法使いの空間にいました。様々な試練を乗り越え山の頂にある杖で翼の風穴を逆向きにかき混ぜると呪いが解けるというのです。しかし杖を抜いたものは死んでしまいます。マジレンのこういうファンタジックなエピソード好きです。光が気になって姿を隠し付いてきた翼は、光の絨毯に乗って後を追いかけます。
時に雨に降られ風に吹き飛ばされながらも山を登る光は、完全にファイト一発、鷲のマークの大正製薬です。見ていられない翼ですが、光を止めようとすると絨毯が口を塞ぎます。まあ光は翼がいることを知らないのですが、絨毯が光の意思を汲んでいるのだとすればこれは前回翼に教えられなかった光なりの授業なのでしょう。
ようやく頂上にたどり着いた光ですが、杖を抜こうとしているところへウルザードが現れます。まったくこの人は暇人なんですねえ…更に翼も光を止めます。「俺は、先生が止めたのに突っかかって…自業自得なんだよ!先生が犠牲になることねんだよ!」「いや、責任は僕にある。だから僕に責任を取らせてくれ。」「だが翼、これだけは覚えておいてくれ、魔法世界の禁を破るということは、誘惑に負けて、魔導士への道を選ぶということだ。」「いいか翼!いつだって正々堂々と戦って勝てる男になれ!正義のためだけに、魔法を使える男に!」「なんでだよ、なんでそこまで!」「当たり前だろ、僕は、君の先生なんだから。」「センセェ!!」センセェ!!(号泣)
もうマジレン最熱シーンです。こんなこと言われたら翼は教師への道を目指さざるを得ない。光のセリフを、背後に闇落ちしたウルザードがいる状態で言わせているのが象徴的です。翼は、邪道に頼らない故に真っ向から苦しみながら自分を助けようとする光を見て、あからさまな禁忌のために命を捨てるような無謀を勇気とするのを慎むことを学んだのでしょう。もっとも光の死ぬとわかっていても翼を助けに行く行為は無謀じゃないのかと言われると難しいのですが、先生としての責務を果たすためなので勇気と称してもいいのではないかと思います。それに熱さカッコよさを勢い良く出すのは説得力ありますから、いいんです。
遂に杖を抜こうとする光を見て、ウルザードは何を思ったか山を破壊し難なく杖を引き抜きます。ダークサイドにすでに堕ちているウルザードであればこのようなことは簡単なのです。杖をダシに光を戦いに誘うのですが、ここ、光を助けたと見ていいのでしょうか、それとも正義を貫こうとする光にウルザードなりの対抗心が芽生えたか…?ウルカイザーにトラベリオンで立ち向かう光ですがすでにボロボロです。
強化したウルカイザーにはトラベリオンの攻撃は通用せず、逆に暗黒竜巻でダメージを受けて大ピンチの光。その頃、同じく万事休すの小津兄妹も心が折れかけていました。しかし光の残した指輪を見て、光に信じていると言われたこと、そして翼と魂を取り戻すことを約束したことを思い出します。ここでも1番のきっかけとなるのはアニキ。皆を支える緑は本当に伊達じゃありません。再び立ち上がり変身するマジレンジャー。
同じ頃、光もウルザードが何を言おうと教え子たちの勇気を信じていると宣言します。するとマジシャインに新しい魔法、デストラクションファイヤー逆噴射が降臨します。恐らくは自分が導いた教え子を信じる勇気でしょう。本当に先生だなこの人は。杖を取り戻し、翼の呪いを解く光を見てウルザードは退散します。何かウルザードいいやつという方向にしたい匂いがしますが今までの行動が行動だけにそれはそれで解せない。
回復した翼は花火が上がるのを間一髪で防ぎ、スパイダーを撃破。魂も元に戻ります。巨大化したインキュバスにもマジキングで喧嘩ファイトし、飛び上がったところを切りつけて叩きおとすというキレっぷり。天空魔法斬りでチェックメイトです。これは気持ちよかった。
後日、助かったコウタにボクシングを教える翼には、光の教えがしっかり根付いていました。光も今回教えることの難しさを学び一歩成長したと言います。黄色回からの金回でしたが、これで光が先生でありながら成長していく仲間に加わった印象です。一歩引いて勇気の再定義を行っていた光もよかったのですが、やはり他人行儀で追加戦士としては寂しいところだったのでこれからの展開に期待したいです。しかし今回の光、何かを思い出すなーと思っていましたが、あれです、ぬ〜べ〜です。人生で1番憧れる教師です。