悪夢に現れた冥獣人が起きたら背後にいる、というホラーテイストな始まりです。
一転、小津家の授業風景。セミが鳴いていますし兄妹もうちわを仰いでいることから季節は夏なのでしょうが、服が全く変わらないため今ひとつ季節感がありません。今日の授業は魔法でピアノを弾くこと。自分の属性魔法をうまく使いこなせ、という目的なのです。
魁は錬成したボールを操るも失敗、蒔人はピアノから野菜を生やし、麗は占いを出し、芳香はそれっぽい人に変身しますが実力は芳香でした。唯一、匠の技を実現させる薬を作った翼が成功し、その応用力を褒める光。序盤の短気で見た目考えなしっぽいキャラからは想像つかない扱いになりましたねこの子…この授業シーン、失敗がそれぞれの魔法属性に即していて面白いです。照れる翼ですが調子に乗ったスモーキーがリバースの魔法を使えるかも、と口を滑らせます。リバースは時間巻き戻し魔法ですが、時間に干渉するのに代償が大きいのはどの世界も同じなようで、この魔法には強い呪いがかけられているのです。光はこの呪文の本を封印します。なんでそんなヤバめな魔法唐突に教えたんだスモーキー。暗くなる一同ですが翼は自分には関係ない呪文だと一笑し、授業を切り上げて知り合いの子供のところへ出かけます。魁にデートかよ!と突っ込まれていましたがこいつだけそういうのの描写ないので放っておいてあげてください。
翼が向かったのはかつて所属していたボクシングジムの息子、コウタで、マジレンジャーになる際ジムを抜ける時に、誕生日にグローブをプレゼントすると約束していたのでした。こいつボクシングで食っていく系の人だったようですね。まあマジレンジャーになってからはプーなんですけどね!ところがコウタはベッドに座ったまま反応がありません。そして首には謎の跡が。
その時冥獣反応を受けて翼が外に出ると、通行人を襲ったばかりの冥獣人に遭遇します。今回はインキュバスのベルビレッジというなんとも朝には不健全な冥獣人です。こいつ、夢に入り込んで悪夢を見せるとマイルドに解説されていましたが、「モテないからって僻むなよ。」「今日はあと300人とデートしなきゃならないんだ。」など元ネタインキュバスの不健全さを匂わせるセリフを飛ばしてきます。ヴァンキュリアにまでセクハラかますのでお茶の間を思うとややハラハラです。そして翼にモテないは図星なのでやめてあげてください。
インキュバスの獲物の首元の跡がコウタの首にあったものと同じことに気づいた翼、インキュバスに飛びかかります。しかし意外に強いインキュバス、翼を伸して去ってしまいました。
マンドラ曰くすでに700人以上の犠牲者が出ているということで、数が明言されたのはこれが初ですがインキュバス相当やります。インキュバスに魂を切り離す能力はないため、魂がどこへ行ったのかを探るのが最大の問題だという光ですが魂を抜かれた体は5時間で死ぬらしく、悠長にしている時間はありません。リバースの魔法を使えば魂を抜き取った敵が分かると提案する翼に、魔道士への第一歩にもなるからやってはいけないと光は反対しますが、翼はコウタを救うためには他に方法がないと激昂します。
「偉そうなこと言って、ビビってるだけじゃねーのか?」「その程度の勇気もねえくせにな、先生ヅラしてんじゃねーよ!」「そんなの勇気じゃない!!」そうなんです、この兄妹にはこれを言って欲しかったんです。そもそもの始まりが、勇気と無茶は違うという定義で始まったマジレンジャーですが、マジマザーはいきなり子供たちを死地に送り出しますし、その後も無謀な行動を勇気と評するシーンが結構ありつつも外部の大人役がいなかったので突っ込む人がいなかったのです。ここでようやく、この兄弟によくある(もっとも主に魁ですが)、無茶を反対すると「ビビってんのかよ?勇気だろ!」で押し切る、という悪癖に待ったが入りました。
襟首を掴んで揉み合う2人ですが、光との対決に興味を持ったウルザードからの誘いを受けて光はトラベリオンエクスプレスで出て行ってしまいます。こういうシーンで見ると市川さんって結構背が高いのかみんなと身長差ありますね。光はウルザード空間で戦うのですがアイテム増し増しで闇の力が強くなったウルザードに苦戦します。それでも翼の心配で心ここに在らずなことに気づいたウルザードは興を削がれて退却します。
残された翼は悩んだ末にリバースを使ってしまいます。ここで冒頭の匠の薬を使っているのが好感度高いです。恐らくは高難易度魔法でしょうが薬の効能でしっかり成功し、抜き取った魂を持っているのは冥獣スパイダーだと見破ります。スパイダーの居場所を探り当て兄妹を呼び出す翼。魁の錬成魔法で集めた魂を1つのボールにし、スパイダー、インキュバスと奪い合います。
ビルの合間に蜘蛛の糸を張り、中心で挑発するスパイダーに兄妹は綱渡りで向かいますがどうにもうまくいきません。翼だけは主役回特典でスパイダーを圧倒し魂を奪い返すのですが、ここ、せっかくなので冒頭の匠の薬を足にかけたりしているとよかったなーと思います。スパイダーは巨大化し、マジキングで対抗しますが、翼にリバースの反動が来て変身が解けてしまいます。ついでに魂も奪われます。
結構引くほど苦しんで叫ぶ翼。松本さん相変わらず滑舌とイントネーションは心配ですが叫んだり名乗ったり気合い入れたりっていうのは最初から危なげないんですよね…駆けつけた光が服を割くと腹に風穴が空いているのがわかったところで次回に続きます。芳香といいこの茶髪兄妹は肉体的にヤバいピンチに陥り引きになるという嫌な共通点ができました。今回の光先生はフォローを怠ったので次回に続くかなーと思っていましたが、やはり2話構成でした。翼思わぬ厚遇。次回、予告で光が早くも退場のフラグをどんどん立てているが大丈夫か…?