「いきなりだけど〜今日のメインイベント〜」ナイメアのコールで始まりました、前回に続きギャグ回です。突然メタ発言かと思いましたが今回はボクシングがテーマみたいだからですね。入場したるは冥府三冥獣の一角、グール。ボクシング冥獣です。期待をかけるブランケン様ですがこいつからは殺られる気配しかしない。前回オーガも瞬殺でしたし恐らくブランケンには部下を見る目がありません。もっとも冥府三冥獣がイマイチ弱いという可能性もありますが、そうなると冥獣自体が全体的にレベルが低いことになりますのでブランケン様は方針を変えたほうがいい。それを受けて「五色の魔法使い、今度の相手は手強いぞ…」と独りごちるウルザードですが、あなたも多分その判断間違ってます。今現在自分の大物感を削って生きている状態ですから口を慎んだほうがいいと思われます。
その頃、山崎さんとのデートにこぎつけた魁は浮かれきっていました。山崎さんは第5話のマネです。相変わらず制服JKらしさがたまらない。赤の魔法使いに憧れる山崎さんでしたが、どう考えても脈がないので落ち込んでいました。清楚可愛いJKに赤タイツへの恋煩いという特殊性壁を植え付けた魁の罪は重い。魁はそこに付け込んで映画に誘います。元々両想いだったわけですから山崎さんもまんざらではない様子。そんな顚末を聞いた翼は「止めとけ、どうせ振られるだけだ」と嫌味なヤツです。ほっとけ魁、そいつは嫉妬してるだけだ。暑苦しい長兄に彼女ができて、一般的に見て好感度の低い末弟も彼女持ちになったらクールぶってる黄色の立つ瀬がないですからね。彼女が欲しいならニートをやめて外へ出ろ。話はそれからだ。
そこへインフェルシア警報が届きます。グールに立ち向かうマジレンジャー、今回も決め台詞ありです。グールの圧倒的パンチの連続に苦戦しますが、黄色が鮮やかなステップでグールの懐に潜り、パンチを叩き込みます。ここへ来てボクシング全国大会出場という謎のスペックが判明しました。唐突な設定ですが一応前回の回想シーンでグローブは出てきています。形勢逆転かと思いきや、ナイメアに阻まれ、グールの拳を真っ向から受け手にヒビが入る翼。冷静に考えて武器も魔法もない戦隊メンバー1人といい勝負の地獄の強者(仮)、インフェルシアサイドの戦力増強が急務です。
上の兄2人が怪我で戦力外のため、魁がボクシングでグールに対抗、ということで深夜のボクシング特訓が始まります。時速200キロのサッカーボールを避けてミットにパンチを叩き込む練習なのですが、当たったら死にます。みんなの空気がどうにもスポ根です。同じ頃、ブランケン様がグールの腹に前回のオーガの形見の棍棒で腹パン100回の特訓中。これにより弱点の腹が鋼鉄で防御されるというのです。もはやスポ根を通り越して体罰。このブランケン様は古き良き日本の悪い精神論を朝礼で語るタイプです。
朝まで特訓してヘロヘロの魁は、山崎さんとのデートの妄想を糧に頑張りますが、嫉妬に塗れた次男にデートでも何でも行ってしまえ!と解放されます。次男の手が治ったと思ってデートに飛んでいく魁ですが、マンドラに薬がそんなに早く効く訳がないと言われたことが引っかかります。ここですっぽかすなんて山崎さんが可哀想だぞ!!と思うのですが魁、デートを断り帰宅。一応本人に会って断ったことは評価します。まあ芳香がやるべき時はやることを学び、麗に飯の心配より戦いの心配をしろと主張した手前、魁がデートに行くのは許されない流れですよね。
翼は治ったふりをしてボクシングの練習をしますがまだまだ怪我は残っていました。魁の運動能力に期待していただけにあっさりとデートに行かれて失望していたのですが、戻ってきた魁にも素直によく戻ってきたとは言えません。そんな次兄に魁は「デートなんかいつでもできる!でもちい兄に期待されんのは滅多にないんだ!」と説得します。げに恐ろしきは高校生の驕り。お前デートは一期一会だとお母さんに教わらなかったのか?翼が抜きん出て優秀な描写も魁が翼に期待されたがっている描写もないので後半の台詞の説得力は薄いのですが、普段微妙にいがみ合っている弟達が信頼を深め合うシーンは胸熱です。
翼も魁がデートを捨てて本気になったのを感じ取り、特訓を再開します。内心弟の彼女作り妨害成功に満足していたに違いない。可哀想な山崎さんは映画館でまたしても「小津くんの、バカ。」と悲しそうです。5話でもそうでしたが、この台詞の山崎さんにフェチ的な可愛さを感じます。そんなクソつまらなさそうな映画に誘う男なんか捨てて早くサッカー部キャプテンと付き合ってしまいなさい。
マジレンジャーインフェルシア双方の特訓が終了し、遂に決戦の時です。なぜかよく出てくる西武風の街並みが舞台です。魁の特訓の成果はグールが体罰の結果手に入れた鋼鉄の腹に阻まれますが、新魔法でマジパンチというグローブを手に入れ、見事KO勝ちでグールを撃破します。煙幕に煌めく電飾がそこはかとなくダイレンジャー戦闘シーンを思い出します。今回の勇気は言い方さえ変えればよかったのになぜ初デートを断って戦おうと決めた勇気としてしまったのか…自分のことより使命を優先する勇気、とか言っておけば…
勝利の瞬間を山崎さんが見てくれていたことに気づき思わず駆け寄る魁ですが、山崎さんは赤タイツへの想いを新たにし、魁轟沈。翼が弟の成長を認めて自分も弟のリア充化を応援できるかも、程度には大人になり一件落着ですが、哀れ魁の顔は仮面に隠れたままでした。
今回は成長物語をスポ根ギャグに乗せていて終始ギャグっぽい空気が結構バランス良かったです。それと「骨のある骨治し薬」はハリポタ風味が効いてますね。今シリーズは随所にハリポタネタをアレンジしたような描写がありますので当時のワクワクを思い出してニヤッとします。黄色、オンドゥルはもう治らないんでしょうか。